GPD WINは超小型WindowsPC、ゲーム機としてほかに類を見ない一品

古くからモバイル機器が好きな人は、このような製品にあこがれたことがあるのではないでしょうか。

GPD WIN

GPD WIN

パッと見た感じでは、普通のノートパソコンにも見えますが
特筆すべきはそのサイズ、

5.5インチのクラムシェル型(折りたたみ式)のノートPCです。
なんだか見ているだけでわくわくしますね!


しかしタブレット全盛期のこのご時世、いまどきこんなものが出るのか、
とかなり驚きまもしたが、かつては小型製品と言えば、こういったものでした。

当時はこのサイズの超小型パソコンは、
スペックに難あり、というものばかりでしたが
今は技術の進歩で、小さいものでも普通に動くようになってきています。

そして、いまでもこういう製品がほしい人は多いようで、かなり注目をあびているようです。
実用性以上に、なんだかモバイル製品好きのロマンを感じます。


基本的にはこういったもの


GPD WINの基本的なスペックです。

OS : Windows 10 Home
CPU : Atom X5-Z8500
メインメモリ : 4ギガ
ストレージ : 64ギガ eMMC
ディスプレイ : 5.5インチタッチパネル
解像度 : 1280 × 720
ネットワーク : a/b/g/n、Bluetooth 4.1
端子 : USB 3.0(フルサイズ)、microUSB 3.0、miniHDMI、3.5mmオーディオミニジャック、microSD
バッテリー容量 : 6000mAh
稼働時間 : 6~8時間
大きさ : 幅155mm × 奥行97mm × 高さ22 mm
重さ : 300グラム



2016年8月時点では、日本未発売なので、上記のスペックは変更になる可能性があります。
全体としてGPD WINは小型Windowsタブレットと同等か、すこし上ぐらいの性能ですね。

ゲーム用途として作られているようですが、モバイルPCとしても実用的でしょう。
もちろん、このサイズのWindowsが使えるかどうか、という問題は別にしてですけどね。


全体図

どこがゲーム用途なのかは見てのとおり、ゲームパッドが内蔵されています。
大きさも任天堂3DS LLと同じくらいなので、持って使うのは問題なさそうですね。


GPD WINは拡張性もしっかりしていて、一般的なWindowsタブレットと同等というか、フルサイズのUSB端子がついているぶん優れているといえます。

背面


この手の超小型製品はネタになるだけ、というものが多いのですが、モバイルPCとしてちゃんと使えるように、しっかりと作りこんでいる印象です。
あ、もちろんこのサイズでWindowsが実用的かどうかは別にしてですよ。


ゲーム機としての注意点


GPD WINは「ゲーム機」としての機能を前面に打ち出していますが、Windowsパソコンとしての性能はそんなに高くない、というかかなり低めです。

小型端末としては優秀な部類なんですが、それでも大型のノートパソコンやデスクトップパソコンと比べると、スポーツカーと軽自動車ぐらいの違いはあります。


2Dゲーム、古いゲームなどは問題ないでしょうけれども、最新の3Dゲームなどはかなり動作が限られるでしょう。


一般に「ゲーム用PC」といえば、高性能CPUやグラフィックボードを搭載した超ハイスペックなパソコンのことをさしますが、GPD WINの「ゲーム用」というのは、あくまでゲームパッドがついているということで、Windowsパソコンとしてのスペックが高い、という意味とはいえないですね。

CPUがAtom X5-Z8500、メモリ4ギガなんで、サイズから考えるとけっこういいのですが、あくまで「軽自動車としては速い」といった感じです。


もちろん、ニンテンドー3DS LLとほぼ同等のサイズで、「手でもってゲームができる」というのはGPD WINならではの魅力には違いありませんけどね。

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Windowsパソコンとして


GPD WINをゲーム機としてではなく、超小型WindowsPCとしてみた場合。5.5インチというサイズはかなり制限になるものの、小さいなりに使えるようにしている工夫があると思ったのが、

・フルキーボードの搭載
・ゲームパッドをマウスとして使用可能


という点です。


「このちっこいキーボードでまともに文字入力ができるのか?」
という不安はありそうですが、かつて存在したスマホであるドコモのブラックベリーやウィルコムのW-ZERO3なども、こういった小さいキーボードのわりにそこそこ使えたので、案外いけるかもしれません。

パッドとキーボード

ただ、GPD WINは右下にゲーム用のキーを配置している関係上、キーボード全体が左よりになっているのと、この手の超小型キーボードはちょっとしたキーの形などで使い勝手が大きく変わるので(ブラックベリーのキーはかなり工夫して実用レベルに仕上げていました)、実際の使い勝手は写真だけでは分かりにくいです。

この製品はゲーム機としての使い勝手を前面に出しているので、Windowsパソコンとしてのキーボードまで期待しすぎないほうが無難かもしれません。


マウス機能は、スイッチを切り替えることによって、ゲームパッドをマウス代わりに使うことができるとのこと。

これも当然ないよりはずっといいには違いないでしょうが、細かい操作感、たとえばGPD WINの小さな画面に出てくるウィンドウの「×」ボタンにうまくカーソルを持っていけるか、などは使ってみないと分からなそうです。


マウスとキーボードが実用的ならば、「手にもって使えるPC」としてタブレットとはまた違った使い方が出来るとは思うのですが、どうなんでしょうね。


全体としての印象


Windowsパソコンとしての使い勝手はどこまで実用的なのか分かりませんが、個人的な印象としては「一応使える」程度のレベルじゃないかと想像しております。サイズのわりにHDMIやUSBなどの拡張性が優れているのでサブPCとして使えれば面白いとは思うんですけどね。

ただ、さすがにこの小ささではかなり工夫して本体をつくりこんでいないとむつかしいでしょうし、GPD WINはゲーム用途に特化していそうなので、キーボードやマウスにはそこまでこだわっていないように見えます。


ということで、やはりGPD WINは携帯ゲーム機がわりとして使うのが妥当なのでしょう。

Windowsマシンでゲームをする場合、本体がどんなに小さくても、ゲームパッドをコードで接続した時点でどうしても大げさな感じになってしまうので、本体にパッド内蔵されているこの製品は、ちょっと遊びつつ、ネットやメールなどパソコンとして使うのに最適になりそうです。


GPD WINは2017年春発売予定で、日本では緑屋電気という会社が販売代理店になるとのことです。価格は55000円とやや高いですが、こういった個性的な製品が出てくるのは楽しいですね。

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