2重ルーターについて
2重ルーターとは、文字の通りでひとつのネットワークに2重にルーターが存在してしまっている状態です。ルーターにルーターを繋ぐとそうなり、ネットワークトラブルの原因になることがあります。
しかしルーターにルーターを繋ぐって、なぜ? と思われるかもしれません。一体どのような状況からそのような事態が起こってしまうのでしょうか。
「ルーター買ってきたぞい」
「ちょっと! おじいちゃん! 昨日もルーター買ってきたじゃないの。もう忘れてしまったの? ああ、もう繋いじゃって…。昨日買ったルーターに今日買ったルーターを繋いで、これじゃ2重ルーターじゃないの!」
「ふが」
……こんな感じ?
もちろんこれも2重ルーターになるのですが、普通はまあそんなことはしません。
しかし、つぎに述べるようなケースが考えられます。
知らないうちに2重ルーターになっていることがある
ADSL回線での話を例にします。
ADSLでインターネットをする場合は通常モデムが置かれて、そのモデムからパソコンにケーブルで繋いでインターネットをすることになります。複数の機器や、無線でインターネットをする場合はさらに無線LANルーターを買ってきて、モデムに繋ぎます。モデムやルーターが何だって? と思われた方は前のページ「モデムとルーター、ハブ、それに回線終端装置(ONU)の役割について」を読んでみてください。
この状態で、ADSLから、光回線へと契約を変更したとします。
光回線ではモデムの代わりに回線終端装置が使われるので、モデムは取り外され、代わりに回線終端装置がやってきます。とはいってもネットワークにおける役割は似通っているというか、モデムだろうと回線終端装置だろうと特に気にしない人も多いでしょう。見た目も似てるし。したがって新しい回線終端装置にもなんの疑問もなくそれまで使っていた無線LANルーターをそのまま繋いじゃうかと思います。
モデムや回線終端装置にルーター機能がついている場合があるのです
もし新しくやってきた回線終端装置にルーター機能がついていた場合、ルーター機能付きの回線終端装置にそれまで使っていた無線LANルーターを繋いでいるので、ルーターが2つあることになります。これが2重ルーターになる例のひとつです。
2重ルーターで困ること
2重ルーターになっていても、インターネットは使うことができます。知らなければ気付かずにそのまま使っているかもしれません。
ただ前のページで述べた通り、ルーターは郵便局のようにデータを各機器に振り分ける仕事をしているので、ルーターが複数あるのは、手紙を届けるのに複数の郵便局を経由するようなもので速度が落ちます。
また外出先から家のパソコンやNASなどにアクセスしようとした時に、2重ルーターだとポート解放が出来なくてアクセスに失敗する事があります(というか、大抵失敗します)。
これらの機器を使う場合はもちろん、そうでなくてもインターネットの速度が落ちるため、特に理由がない限り2重ルーターは解消しておきましょう。
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2重ルーターを解消する
単純に2重ルーターを解消するだけなら、2重になっているルーターのうち、どちらかひとつを取り外してしまえばそれで済みます。上記の例のようにモデムや回線終端装置にルーター機能が付いている場合は、もう一台の無線LANルーターを取り外すことになります。
しかし無線LANを使いたいなどの理由で、機器を取り外したくない場合もあると思います。その場合は無線LANルーターのルーター機能だけを停止させて、無線ハブとして使います。この状態を「アクセスポイントモード」もしくは「ブリッジモード」と呼びます。
無線LANルーターをアクセスポイントモード(ブリッジモード)にする方法はルーターのマニュアルを参照してください。多分そんなに難しくはないと思います。
例えばNECのAtermWR8300Nだと
1.ルーターの電源を切る。
2.裏面にある切替スイッチを「RT」から「AP」に切り替える。
3.ルーターの電源を入れる。
で、出来ます。「マニュアルなんてどっかいったよ!」という方はメーカーのサイトからダウンロードしましょう。
あと、これでインターネットが出来なくなるなどのトラブルはないとは思いますが、ルーターの設定に慣れていない方は、念のため、急いでインターネットを使う用事のない時にやったほうがいいかもしれません。
←ちょっと分かりにくいモデムとルーター、ハブ、それに回線終端装置(ONU)の役割について[前]
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